橋の下のステージ

なんだこの煉瓦の壁は。

まるでベルリンかパリかニューヨークみたいだ。

いや、ここは、広瀬川の橋の袂。

 

青葉通りをまっすぐ進み、大町西公園駅を右に、緩い下り坂を下りきったところに、アーチ型が美しい仙台大橋がある。

大橋は江戸時代、仙台城大手門と城下町を結ぶ橋だった。

昭和13年に架けられた鉄筋コンクリートの橋が今の橋の原型なのだが、近頃、改修工事が行われ、真新しく真っ白な橋になった。

昭和20年の仙台大空襲をも乗り越え、町の記憶と共に経年変化を帯びた煉瓦のマチエールが見えなくなってしまったことを、少しだけ寂しく感じていた。

しかし、橋の袂に、煉瓦の名残を見つけたのだ。

 

もしもボブ・ディランがここに来たら、広瀬川を眺めながら、煉瓦に腰かけ、ギター片手に歌いだす、ステージになるに違いない。

味わい深いこの空間、なんだか素敵な使い方ができそうで妄想が止まらない。

 

 

WRITTEN BY
モナカ
仙台生まれ。シビックプライドについて考えている、こけし似のクリエイター。青葉山から広瀬川、そして街までのグラデーションは、晴れの日も雨の日も愛おしい。
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