さよなら、雨宮キャンパス

さよなら、雨宮キャンパス。
東北大学農学部のキャンパスは、勝山の隣は雨宮にあった。

小学校のころ生活科の授業で羊を見学に来たこと、おぼえてる。
糞と乳と土と草の匂いが混ざった、なまぬるい風が頬を撫でた。
メェェエエという鳴き声が、鼓膜と心臓にビリビリと響いた。

羊毛をゴミ袋いっぱいに詰めて、教室に持って帰った。
目の前で羊の毛が刈られ、少し薄汚れたクリーム色の
画用紙に貼って絵をつくったなぁ。どんな絵かはわすれた。

ここは仙台の中心部にあった最後の牧場だろう。

このあいだの秋から立ち入り禁止になった。
夏になると合唱をするあのカエルたちはどこに引っ越すのだろうか。

あと数年もしないうちに、どこにでもありそうな町の一角になるかもしれない。
私の記憶はあの日のまま、そっとしまっておこう。

WRITTEN BY
モナカ
仙台生まれ。シビックプライドについて考えている、こけし似のクリエイター。青葉山から広瀬川、そして街までのグラデーションは、晴れの日も雨の日も愛おしい。
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