点と点をつなぐインタビューvol.2 アースデイ東北 × SEN. 「仙台で、アースデイは文化になるのか。」

 
4月22日は、アースデイ。
地球や自然環境のこと、暮らしのことを考える日として、世界中で広まっているムーブメントだ。
仙台を拠点に、東北でこのムーブメントを広めていこうと、「アースデイ東北」が立ち上がったのが2016年。去る4月21日、22日の二日間、青葉区錦町公園で行われたイベントは、大盛況で幕を閉じた。
 
3回目の「アースデイ東北」が終わった今、アースデイ東北発起人・実行委員長の石川洋平さんとSEN.が「仙台で、アースデイは文化になるのか。」をテーマにトークを繰り広げた。
 
 
仙台人のシャイってなに?

ー 愛知がご出身の石川さん。これまでに世界各国にも行かれています。
はじめ、宮城・仙台に対してどんな印象を持たれましたか?

石川さん:なんていうか、すっきりしてるなあって。街もきれいだし、山も海も近い。あまり混沌としていないというか、洗練されているような印象は受けました。

ー 人はどうでした?

石川さん:仲が良い友達ができるまでは、ちょっと時間がかかった気はします。

ー それは、仙台に来るまでの人間関係づくりと違いました?

石川さん:そうですね、違うと感じました(笑)ま、自分の関わり方も震災の後に来ましたし、自分自身も緊張しているし、「何かやらないと」というモチベーションであったと思うんですね。それが旅とか、趣味の関わりであれば違ったと思うんです。うーん、仙台人… まぁシャイだなぁ、と(笑)

ー 「シャイ」っていうのが、決して仲良くなりたくない、っていう訳ではないんです。排他的とまでいかないですが、新しいものはちょっと様子を伺いながら取り入れていくっていう気質があるんじゃないかな、とは感じます。
宮城に住んでみていかがですか?

石川さん:今は松島に住んでいるんですが、松島の人の方が、オープンマインドさを感じますね。観光地っていうのはあるかもしれないのですが、僕が宮城に何の縁もなく入っていっても、皆さんよくしてくださるっていうか。
そもそも、仙台に住んでいても、仙台人じゃない方多いですよね(笑)

ー そう、それもまた課題というか(笑)支社文化っていうのもあるし。

石川さん:僕の友人も、仙台生まれ仙台育ち仙台在住っていうよりも、石巻、登米とかで生まれ育って今は仙台拠点っていう方が多いですね。

ー 生粋のってなると少ないですね。
 
 
牛タン vs エビフライ

仙台の街らしさっていうのは、アピール下手な感じがある。例えば、観光客がきたときにオススメの場所どこって聞かれたら、青葉城址に行って、牛タン食べて、ずんだ餅を食べる。これって、〝仙台の街らしさ?〟って思うところもあります。

石川さん:そうですねぇ(笑)

ー例えば、仙台の街の中の老舗のお菓子屋さんでお土産を買う、とか、牛タンではなく、街の定食屋に案内してみるとか。そういうのがスタンダードになれば、素敵だなと思っているんですよね。

石川さん:そうですね、僕地元愛知県なんですが、エビフライ定食とかがすごいあるんですよね。エビフライ押ししてて。確かに天むすとかがあるし、ルーツがあるのかなと思って調べてみたら、全然そんなことはなくて。実は、テレビ番組でタモリさんが名古屋弁を茶化して、エビフライのことを「えびふりゃあ」って言ったところから、名古屋の人がエビフライを持ち上げ出して、街の名物にしちゃったみたいな。なんか、そういうのでもアリかなぁ、と(笑)

ー 確かに(笑)

石川さん:元々ルーツがあるわけじゃないけど、面白いから食いついて、開き直っちゃう。これもひとつのカルチャーでもあるのかなと。

ー エビフライ定食だったら、街の人も普段から食べますもんね。

石川さん:それから手羽先とかね。そこに住んでると、正直手羽先とか味噌カツってあんまり食べない(笑)けど、この間奥さんと実家に帰ったら、「手羽先食べたい」とか。あ~やっぱりそうなんだぁって(笑)

ー やっぱり街の人が考えてる「いいもの・観光として押したいもの」と、観光客のニーズと、すごくギャップがあるってことですよね。

石川さん:観光客は、思い出や情報を買ってるところがある。ひとつの記号ですよね。でも、ローカルの人って記号って必要なくて。なんかもっと質の高いもの、本質的なものを求めたくなるのかな。本当はそういうものから観光トピックが生まれるのが理想なのかなと思います。
 
 
アースデイ、という空気


 
ー そういう意味では、アースデイって、観光客向けのイベントではないのかなと。今年で3回目の開催。まだ根付くには早いかもしれないですよね?

石川さん:早いですね。例えば、定禅寺ストリートジャズフェスティバルは、地元の人も楽しむし、遠いところからもお客さんが来ている。アースデイもそういうイベントにできたら素敵だなって。楽しいから遠いところからでも人が来る。それ位価値のあるものを作っていきたいなと思いますね。

 

ー アースデイ東京は、だいぶ前からイベント自体も大規模に展開していて、告知や情報発信にも力を入れています。

石川さん:アースデイっていうコンセプトは同じですが、それをイベントの中でどう表現するかは、アースデイ東北とアースデイ東京は全然違う方向に行っている。自分たちがやっていることを大事にしたいと思っているし、その中で自分たちなりの独自の成長が見えてくるといいなと思います。

ー SEN.でいつも話題に挙がるのが、仙台って〝リトル東京〟化しているということなんです。東京を真似したがる文化というのがある中で、どういう風にアースデイを仙台の人が捉えているのだろうと。街の人の感覚からすると、地球に優しいオーガニックな暮らしって、ある種憧れ。ただ、実際にどうやって根付かせていくのかなとも思うんです。ムーブメントとして楽しむ程度なのかな、と。

石川さん:むしろ、僕が作りたいのは〝空気〟なんです。言葉にできない風潮というか。みんなが何も考えずに楽しんでくれている方が、かえってアースデイが広まっていくのかな。
極論、僕が東北に来て、アースデイをやろうと思ったのも、原発の問題を解決したいからなんです。でも、難しいことを言ったりしても、浸透しない。そんな簡単なことではないので。だから、みんなで神輿をわっしょい、わっしょいして、楽しんでいるからこそ、広まっていく。その中で自然と広がっていく空気、新しい常識、みたいなのが、ひとつの大きな影響力になるのかなと思っています。

ー うーん、そういう意味では、アースデイは仙台の文化になり得ますね。

石川さん:なりたいですね(笑)

ー 特にここ数年、仙台の街中でイベント、フェス、マーケットっていうのがすごく増えている。大きい団体がやっているものだけではなく、お店を借りて個人レベルでやっているものも多い。そういうものに対する興味関心が、仙台ですごく高まっているのを感じています。来ているお客さんも、感度の高い層がたくさんいる。そういう層がまずは文化を牽引するのかなと思っています。

石川さん:ほんとにマニアックな「こんなことようやるわぁ」ってひといますよね(笑)高いクオリティでやっている人が。そういう人の話をきくのは本当に面白いです。

ー そういう人がつながる方法を、誰かが考えていく時期なのかな。
そのひとつはアースデイなのかなと。

石川さん:そうなりたいですね。メディアって情報を発信する、っていう意味と、何かの媒介になるっていう二つの意味がある。両方出来て、点が線になる。そういうのは目指したいですよね。


 
 
■アースデイ東北
https://www.earthdaytohoku.com

WRITTEN BY
SEN.
仙台の文化の点を線でつなぐ、カルチャーマガジン“セン”。 仙台の文化的な場所やひと、アートなどにフォーカスし、仙台の良さ、仙台らしさを発信すべく、活動の場を広げている。SEN.のウェブメディアでは、仙台に携わる人それぞれの視点で切り取った情報を発信。異分野の人同士がトークを展開する、「点と点をつなぐインタビュー」も配信中。
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